理系院生生活

実験機器の調子が悪いという話を先輩にしたら、確かにそんなような気がする、という話になった。トーチの点火に時間がかかること、イオンがする事、検出感度が低いことなどだ。そこで先生にこの症状を報告したところ、調子が悪くなる以前のデータと見比べてはどうか、とあっさり言われた。納得するとともになぜ、こんな当たり前のことに自分で気づかなかったのか、心底嫌になった。常に深く考えて…と意識していたはずなのに、と。
 論文を書く上で大切なことの一つに考察がある。結果から何が分かるのか、その意味は何なのか自分で考えて書く行為。結果をまとめたりするのはどちらかというと得意だ。けれど、結果を分析しそれが何を示しているのかを自分の頭で考え、論理的にまとめるという行為は苦手なのだろう。今までやってこなかったのだから仕方がないと開き直り、経験を積むしか、ない。