第7回ナノ学会大会

 東京はやけに暑いんだな、と思っていたら今年初めての真夏日だったらしい。どおりで。地下鉄の駅から学会会場の東京大学まで徒歩5分ほどだったにもかかわらず、着いた頃には汗が流れおちるほど。会場内も空調が聞いておらず少々暑い中の学会だった。
 今回の発表形式はポスター発表というもので大きなポスター(僕は85cm×140cm)が60枚ほど貼ってあるブースで興味を持ってもらった人に説明をするというもの。付添いの指導教官の先生も来ていたこともあってか、説明自体はきちんとできたと思う。その後の質問が、やはりというか、難題だった。
 まず、相手の質問の意図が掴み切れていないために、的確な答えが返せないことが多かった。一番の原因は単純な自分の知識不足ではないか。質問内容が、自分の考えたこともなかった方向から聞かれるために口ごもってしまった。使用した機器や薬品についても分からないことがあったのは大問題であったが、それ以上に基礎的な知識が足りなかった。タンパク質、抗体に関する生物系の知識。合成方法に関連する放射線の知識。ナノ粒子のプラズモンに関する知識。そして、研究のライバルである他の検出方法に関する知識。
 また、相手がどんなバックグラウンドを持った人かをきちんと把握しておくべきだった。この学会の人はどんな研究をしている人が多くて何に詳しいか。おなじ発表にしても何に興味を持って、どこに対して質問してくるか。自分の研究を説明する上で絶対必要な知識で、かつ、参加者が詳しくない分野は何なのか、など。とはいえ、ナノ学会の守備範囲が広いので大変、という問題もあるらしいが。
 そして、英語。外国人の研究者に話しかけられることはなかったけれど、2割ほどは英語のポスターが占めていたように感じた。分からない事ももどかしいが、伝えたい事が伝えられない、聞きたい事が聞けない、といったことの方がもっともどかしい。かもしれない。


 その後、新宿で3月に修士を卒業した先輩と先生と3人で飲んだ。4時から。
 意外とお金がないと先輩も言っていた。二日連続で聞くと少々身構えてしまう。ちなみに先輩の会社の上司の平均年齢は60歳らしい。一番若い上司が58歳で早期退職を希望しているとか。さらに直属の上司はシンガポール人で日本語が通じないらしい。大変だ、とは言っていたけれど元気そうで楽しそうだったのでなにより。

 以上学会報告(?)でした。